投稿者 smile | 3月 1, 2008

藪医者

えー、藪医者でございます。

 なぜ「藪」というかについては、諸説ございますが、へぼな医者でも風邪のためにはいくらか動く、風で動くから藪だと言うのだそうで……。

 さて、一人のお医者様がおりまして、この人が有り体に言えば、藪でございます。当然、お客はおりません。家賃も滞り、お米を買う金もなく、今日も日がな一日退屈にしているところへ、権助がやってきました。医者は権助に相談を持ちかけます。

「医者というのは、他の稼業と違って、薬籠をもってこっちから出張っていくわけにもいかんからな……。どうしても病人の来るのを待たなけりゃいけない。そこでだ、お前さんに一つやってもらいたいことがあるんだ」

 医者が言うには、権助に医者を呼びに来た振りをして欲しい。そうすれば、あぁ、あそこのお医者様は名医だと人が信頼するようになる。早い話が、医者のサクラというわけですが、何しろ頼まれたのが権助さん。嘘が得意とはお世辞にも言えません。頓珍漢なやりとりをしたあげくに、もうちょっと遠いところから来たことにしてくれと言われ、

「神田三河町越中屋源兵衛、米屋から参りました」
「ははぁ、米屋さん、何かご用で」
「先月のお米の勘定をもらいに来た」

http://homepage3.nifty.com/~tomikura/rakugo.html


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