投稿者 smile | 7月 1, 2008

しわい屋

勘定に細かい人のことを、関西では「かんこま」と言いますが、東京では「しわい」と言うのだそうです。早い話、ケチなわけですが、このお噺は、そうしたお金に細かい人の話の集大成となっています。

 一人が、自分は梅干しだけでご飯を食べられると自慢すれば、もう一人は梅干しを見るだけで食が進むと言います。そうかと思えば、扇を長持ちさせるには、扇子を開けて首を横に振るのがコツと言い出す人、いやいや、それじゃあもったいない。扇は半分だけ開けるのがいいのだと講釈をたれる人もいます。

 さて、ある人が吝兵衛さんのところにお金を貯める方法を教えてもらいにいきました。吝兵衛さんは、男に松の木の枝にぶら下がるように言います。男はいぶかしく思いながら、木の枝につかまります。すると、吝兵衛さんは、左手を放すように言います。男は言われたとおり、左手を放します。次に吝兵衛さんは、小指を放すよう言います。男は小指を放します。次は薬指、その次は中指と吝兵衛さんは、次々と指を放すように言います。そして、いよいよ人差し指を放すよう吝兵衛さんが言います。

 冗談言っちゃいけない。人差し指を放したら、落っこちます、と男が言うと、吝兵衛さんはにっこり微笑みながら、人差し指と親指でわっかを作り、

「わかったかい。どんなことがあっても、これだけは放しちゃいけない」


コメントする

あなたの返信:

カテゴリー